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事実のコミュニケーションと心のコミュニケーション 第13回

事実のコミュニケーションと心のコミュニケーション 第13回

太古の昔から男性は事実のコミュニケーションを大切に考えて生きてきました。

後ろの方から突然クマが現れたのが見えた時、その危険を周囲の仲間にも知らせようとして、『クマが後ろに見えたから向こう側に逃げよう』と、事実のコミュニケーションを行います。

事実のコミュニケーションとは、その言葉に含みをもたずに、そのままの意味で行うコミュニケーションです。

決して、目の前の仲間が進もうとするルートがなんだか気に入らなくて、この言葉を使っている訳ではありません。

これが例えばデート中であった場合、彼女とのデート中に男性が『今日は和食料理が食べたい』と彼女に伝えたとします。

事実のコミュニケーションですから男性側は単純に和食料理が食べたいと伝えたかっただけですが、女性が多用する心のコミュニケーションを中心に考えると、『デート中はいつも彼女の要望ばかりを聞いているので、少しぐらいこちらの意見も聞いて欲しい』という不満の気持ちを含めている様にも受け止めることができます。

ゴール重視で問題解決型の男性からすれば、何の含みもなく単純に伝えている場合であっても、心のコミュニケーションを大切に考える、プロセス重視で共感型の女性にはそう聞こえてしまうのです。

どちらかがどちらかに寄り添う事が出来ればこれらの問題は解決しますが、この場合例えば男性が女性に寄り添う場合は、事実のコミュニケーションから心のコミュニケーションに変換して、『今日は何が食べたい。美味しい和食のお店があって、〇〇ちゃんにも一度食べて欲しいのだけど。』という心のコミュニケーションへの変換の仕方があります。

これなら、普段からのデートでの不満を含んでいるようには感じずに、目の前の女性と料理を介して、さらに深くつながりたいという、良い意味での意思表示になります。

反対に女性が男性に寄り添う場合は、男性が『今日は和食料理が食べたい』という言葉に対して、彼の言葉は子供が単純に『和食が食べたい』と言っている言葉そのままの意味であって、何の含みなどは無いのだと理解してあげる、という寄り添い方が出来ます。

これが女性同士であれば、自分のことをもっと察して欲しいという意思表示である場合がありますが、男性にはそのつもりなどさらさらないのです。

プロセス重視の共感型の女性からすれば、普段からの言葉そのものからさらに深読みして、相手に共感する心のつながりをコミュニケーションの基本としていますので、実際に多くの男性の場合は、事実だけなのだと切り分けるのが難しいのかもしれません。

この様に、コミュニケーションの取り方には二種類存在していることを、多くの男性や女性は理解していない為、交流すれば交流するほどにお互いに意思の疎通ができなくなり、結果的に破談していきます。

長年、結婚相談所の仕事をしていると、このコミュニケーションの寄り添いが出来ない方がいますが、言葉によるコミュニケーションには、事実のコミュニケーションと、心のコミュニケーションの二種類が存在し、普段から自分が思考している言葉と、異性が受け止める言葉の意味には大きな齟齬(そご)がある事をあらかじめ知っておきましょう。

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