男性にも女性にも存在する脳の特徴であるプロセス重視型の脳は、どちらかといえば女性が得意といわれる分野ですが、それはなぜでしょうか。
男性と比較した場合、よく女性は感情的であるといわれますが、実はこの感情を効果的に使いながら、記憶を再体験して、リスク回避を行う機能こそが、女性らしい特徴だともいえます。
この世に誕生してから、生活を通じて体験する様々な感情の中で、辛かったことや悲しかったこと、楽しかったことや困ったことに遭遇した際に感じた感情に対して、私達の脳は瞬時に記憶を結び付けて、再現させやすくしてくれます。
子供の頃に少し高い場所から転んで怪我をした経験があれば、その瞬間に痛みや悲しみという感情が生まれて、大人になった後で高い場所に登るだけで、過去のその状態を感情で再現できるからこそ、速攻で対処することができ、瞬時の危険から身を守ることが出来ます。
感情をトリガーとして絶えず再体験を繰り返すプロセスが、自分の身を守るすべともなるからです。
特に女性は男性と比較して腕力や体力が劣る分、瞬時に身を守るすべを身に着けながら成長していきます。
つまり、何事にも過去の感情を想起させて、頭の中や心でこの感情を感じた時に、過去の自分がどうであったのかを再体験しながら、リスク回避の行動を正確にプロセスさせているのです。
この再体験は回せば回すほどに精度が高まり、確実というゴールに到達させやすくします。
しかし、このプロセス重視型には大きな問題点があります。
自分の目の前に立ち房がった壁に対して、その壁を乗り越えられなかった時に感じた感情、つまり辛く悲しかった感情を強く体験してしまうと、再度目の前に訪れた壁に対して、そのことに挑戦する前に感情の再体験がプロセスされてしまい、その壁から逃げよう、挑戦を避けようとする選択こそが、確実に悲しみや辛さから自分を守る行為だと選択させてしまう事になるからです。
男性と比較して女性は消極的であるといわれるのも、これが理由です。
男性の脳特性は、どちらかといえばプロセス重視型というよりも、問題解決型です。
目の前の問題を解決することこそ、最大のリスク回避につながる事であると、男性的であればあるほど問題解決型の機能が働きます。
その壁や目的達成させることの方が、一時的な悲しみや辛さよりも重要であると選択させるのです。
太古の昔、男たちが山や海へ獲物を狩りに出掛けて、狩るという問題や目的達成させられずに集落に帰るしかないと判断した際、『これで自分の身の起こる危険から逃れられて良かった、熊に襲われることも、海で溺れることもなくなったから安心だ!』と確信する男が大多数いたでしょうか。
妻や子供たちがお腹を空かせて待っていると考えれば、狩るという問題や壁を乗り越えられない事の方が、当時の男性にとっては問題だったという事が分かります。
その為、男性は感情を再体験させるプロセスを回す時も、守る為ではなく問題を解決させる為に回そうとします。
感情のプロセスを回すその自然の行為が、身を守ったり子供を育てたりすることなのか、目的を達成させる為なのかで、その行動の結果は真逆になります。
その為、男性的な男性と女性的な女性が一緒に歩いていて、瞬間的に危険な状態に遭遇した際、対処する行動が真逆になりやすいのです。
突然であればある程、男性は目的達成を最優先させますが、女性はプロセスを回すことを再優先させます。
どちらも、重要で大切な行為ですが、こういった問題は、デートの最中に想定外の問題が生じた時にも、その行動の仕方の違いとして起こります。
仮に二人が危険な目に遭遇した時、自分の身を守る為に女性を置いて逃げるという行動をとってしまう男性がいたとしたら、普段からその男性は非常にプロセス重視型の男性だといえるでしょう。
瞬時に過去の感情を再体験してプロセスを回し、彼女を置いて逃げるという行動を選択した訳です。
確実に安全な選択です。
恋愛上手で会話の楽しい男性とのデートはロマンティックな気分を演出してくれるかもしれませんが、今後訪れるかもしれない危機的な状況に対して、果たして今の彼は問題解決を最優先してくれるでしょうか。
こうした行動の背景にも、脳の特性が大きく関係していますから、交際中にお相手のことを良く理解する必要があるという事になります。
その為、自分と似たような感じをその異性からを感じた時は、友達止まりにしておいて、婚活や結婚相手には自分とは違う特性をもつお相手を選択すべきかもしれませんね。